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とある年に描きとめた、山の観察絵日記です。
緑に囲まれて暮らしていると、その栄枯盛衰の様子が面白く、今まで持っていなかった印象や季節感を得られたりします。
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初夏に入ると、周りの小さな世界が急に、ぐんぐんと勢いを増しました。
草花、木の葉、蔓、苔。
わさわさ、わさわさ。
そののびること、のびること。
先を争うように、ひたすら上へ下へ、縦へ、横へ。
攻め入るように、空いているところはどこへでも。
全て、呑み尽くすばかり。
貪欲な季節です。
山はどんどん、深くなります。
それまで山の深さというものを、こんな風に変わりゆくもの、形を変えるものだととらえたことがなかったのですが、
緑が色濃く、あふれていく。
丈がどんどん、高くなる。
縦にも横にも、伸びていく。
密度がどんどん、高く、濃くなる。
その中で、こんなにも山が、
深くなりゆくものだとは。
山全体が生命力の塊になって、
私はそれを、まるでジャングルのようだと感じます。
ぐんぐん、ぐんぐん、
どんどん、どんどん、
どこまでも這い進む、その様子を。
そのうち、雨が降って、
夏が来て、
光と影の中で、なにもかもストップしたような夏になりました。
あついあつい、夏です。
夏の景色の中、
たくさんの昼と夜が過ぎ、
ある朝、ふと気が付くと、周りの様子がまた変わっていました。
日の光が、きらきら。
風が、さわーっ。
景色が、動いてる。
秋の、入り口です。
秋になると日の光が、今度は山のあちこちに差し込んできます。
緑の季節は身を潜め、また違うものが活気づいてきます。
その季節の記録は、また次の機会に。
(2022年6月)
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