はじめに

「とかいところから」は、人の少ない山間の町で、移住家族がどんな風に日々を慈しみながら過ごしているのかを描き出そうとするブログです。

「とかいところ」ってどんなところなのか。
以下にざっくりと、ご紹介します。

過疎の町に暮らす

これは私が住んでいる、山形県は朝日町の地図です。
朝日町は、県の真ん中あたりにある小さな町。
朝日連峰のお膝元にあって、ほぼ四方を山に囲まれた山間の町です。

面積にして、東京23区の3割ほど。
その中に、約6千人の町民が暮らしています(2022年12月現在)。
私が暮らし始めた頃は約7千人だったのですが…悲しい現実ですが、月を越すごとに、年を経るごとに人口が減っているのが現状です。
一言で言えば、過疎の町です。

過疎というとネガティブなイメージがありますが、実際に住んでみて思うのは、「人が少ない」ということ自体は一概にマイナス要因だとも言い切れないところがあるということ。
その話については、また追って記事の中で紹介していくつもりです。

広くて、そして小さな、山の町。
人は少なくなっていくけれど、一方でなんだか一筋縄ではいかない魅力も、取り組みもあります。
空気をご神体としている神社があったり(22年にはめでたくパナソニックとコラボを行うことになったそうです)。
「無袋ふじ」という、全国でも名の通ったりんごを生み出したりんごの名産地だったり。
桃色ウサヒという、圧倒的無個性を武器とするキャラクターが居たり。

そして何より、ここで出会った方々の人となり、逞しさ、生きる姿には、何年経っても純粋に心惹かれたり憧れたり、救われたりすることが多いです。
一般的な「過疎」という言葉の持つ消極性とは一味違った趣が、この町には力強く存在する気がします。

山に暮らす・移住して暮らす

そんな山に囲まれた町の、更に奥地のとある集落に我が家はあります。
標高にして、およそ280m。
ちなみに車で15分くらいのところにある役場は、標高162mくらいだそうです。茨城の牛久大仏の高さくらいが、我が家と役場付近の標高差になるようです。

家族構成は、私・旦那さん・長女のいちひめ・長男のにたろうの四人暮らし(詳しくはこちら)。
私たち夫婦はいずれも、この町の生まれではありません。
大人になってからご縁あってこの場所に住むようになった、全くの移住者です。

それは良いことでもあれば、悪いことでもあり。
この町の暮らしに慣れていないだろうからと、個々人レベルでとても優しくして頂くことも多いです。
家族間のしがらみのようなものも感じずに、日々を過ごしていられます。
一方で、移住者だけで暮らすということは、いざという時に頼れる血縁関係が無いということでもあります。
乳幼児の育児中、とりわけコロナ禍の後は、特にこの点で人手が足りずに困ったという事態が度々ありました。

朝日町は祖父母世代と暮らす家庭がまだ珍しくなく(曾祖父母がご健在のお宅もあります)、そういうお家では育児に関してもじいちゃんばあちゃんの手を借りることができます。
家族間で助け合って何とかなるような事態が起こった時は、我々の家では大人が二人しかいないのでかなり厳しいものとなったりする。これもまた、現時点での移住者の現実でもあります。

とかいところに暮らす

「とかいところ」とは、「遠いところ」のこと(由来はこちら)。
我が家のこの町における暮らしを総称して、こんな風に表現しています。

「とかい」(遠い)というのは、どういうことか。
それはある時は、山の中に分け入った場所にある我が家の生活全般のことであり、時に通勤場所や大都市から距離のある、この町そのもののことでもあります。
またそこから起こる不便や、逆にそうだからこそ味わえる田舎暮らし、山暮らしの醍醐味のことであったりもします。

「禍福はあざなえる縄の如し」という言葉がありますが、「とかい」ということの良し悪しも、まるで綯った縄のように表裏一体のように私には思えます。
ここに住んでいればこそ。
いいこともあれば、悪いこともある。
美しいものもあれば、不便もある。
助けてもらっていることもあれば、やらないといけないこともある。
努力しなければいけないことも、恐らくある。

そしてここにしか無いもの、
かけがえのないものもまた、沢山ある。

「とかい」って、どんなことなのか。
これは、この場所の暮らしに心底魅せられた私自身の問いかけでもあります。
今まで生まれ育ってきた環境と全く違うからこそ、分からないことが多いからこそ、問うのをやめずにいられない。
嫌なことも、勘弁してよと思うこともある。それはどこから来るんだろう。
でもそれ以上に、ここに暮らしていて良かった、なんて幸せなんだろうと思うこともある。それは、どこから来るんだろう。

「とかい」って、なあに?

それを絵と文でもって追いかけてみよう、自分なりに形作ってみようと始めたのがこのブログです。
毎日生活すればこそ感じ取れるようなささやかなことも、できたら大きな問題も拾いあげて、等身大の目で語りつづっていきたいと思います。
そしてそれが、地方暮らし、田舎暮らし、山暮らし、全国津々浦々の「とかいところ」に興味のある方の参考の一助になれば、なお幸いです。
どうぞよろしくお願いします。

★朝日町ってどんなところ?
 朝日町HP: https://www.town.asahi.yamagata.jp/
昭和の大合併により、1954(昭和29)年に誕生した朝日町。2019年現在で、65歳になります。わたしの父親と大体同年代なのですが、そう思うとなんだか感慨深いものがあります。

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