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これが、我が家の風景です。
山の中の、古いお蔵に住んでいます。
「とかいところ」とは、つまり「遠いところ」。我が家のことです。
これは元々、同じ町のばあちゃん達から言われた言葉でした。
どこの地区の人? と言われたので、
○○です! と言ったらば、いっせいに
「なんだてまあー、とかいところからー!」 ・・・
…おかしいな。 一応、おなじ町の住民のはずなのですが…(苦笑)
まるで「奥地!」とか「別の国!」から人が来た、みたいな反応だったので、今でも忘れられません。
我が家は、町の中心部から山岳の方に分け入って、車で15~20分。
スーパー、コンビニ、役場、病院、図書館。
生活圏は全部中心部にあって、行き来するのに時間がかかります。
よくこんな山の中に…。不便でないの?
そんな風に言われることもあります。
ハイ。「とかさ」が「不便」に化けること、確かにあります。ぶっちゃけ、多々あります。
だけども結局、わたしはここの暮らしが好きで、
どうせ暮らすんだったら、ここ がいい。ここ を選びたい。
なんで?と言われると、それは、
「とかい」から。
ここでは、物事がとてもシンプルに存在しています。
すべて、自然のめぐりのままに。
冬は厳しい季節ですが、人の気持ちがお互いに優しくなる。
誰かとほっこり、一息つく時間が、とてもありがたい。
春の日がさしてくると、全身が嬉しくなる。
旬の物を食べると、五臓六腑にしっくり、ぴったりくる。旨さがしみいる。
わたしは、このシンプルさの中で過ごしていると、自分自身にかなり率直に向き合える気がします。
あ、お日さん出てきた。
あ、お月さん今日、まんまる。
あ、雪つもってる。
あ、季節かわった。
あ、わたし、今、ここにいる。
あ、しあわせだな。 と。
とりわけ、大好きな人たちと一緒に、
「あ。今、同じ気持ちをあじわってるな」、と感じる時は、本当にたまらなく、嬉しいです。
便利さから、距離がある。
その分だけ、見えてきたり、向かい合えたりするものがある。
ブログタイトルの「とかいところ」には、現実的な意味合い以上に、こんな思いが込められています。
べらぼうに寒かったり、雪が面倒だったり、通勤がつらかったり、育児のリズムと両立しづらかったり、ああー大変だー。と思うことはありますが、
やっぱりここ、好き。という気持ちの方が、いつでも勝っている。
自分にとっては、そんな日々を過ごせる、貴重な場所です。
小さな「好き」も、新たに気が付いたことも、これからたくさん書きつづっていきたいと思います。
…でも、確かに「効率」や「便利さ」とはまた違った醍醐味なので、「とかさ」に負けずに暮らすには、また工夫が必要です。
「とかさ」に負けずにしっかり生きている人たちのことを、わたしとだんなさんは敬意をこめて「剛の者」と呼んでいるのですが、そのお話はまた別の機会に…。
つづく。
おまけ。
「とかいところ」というイカした言葉を授けてくれた、おばあちゃん達。
(2019年12月下旬)
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